弁護士を雇わずにブラック企業から未収の残業代と慰謝料をもらう方法(3/3)

ヒアリングサービスオハナの心理カウンセラーの山本です。

 

前回は、この「弁護士を雇わずにブラック企業から未収の残業代と慰謝料をもらう」ための下準備「ブラック企業をやめる前にしておくべきこと」を書きました。

 

この記事では退職してから、弁護士を雇わずにブラック企業から未収の残業代と慰謝料をもらう方法をお伝えいたします。

  • 退職してからも取れる、未収の残業代
  • 行政にあっせんしてもらって取れる和解金

 についてです。

 

 

弁護士を雇わずにブラック企業から未収の残業代と慰謝料をもらう方法

 目 次

   

・未収の残業代を請求する方法

 

・慰謝料請求を無料で代行してくれる国のサービス「あっせん」とは

 

・「あっせん」の仲裁方法

 

・「あっせん」の効力と注意点

 

・「あっせん」で和解金がもらえなかったら「労働審判」がおすすめ

  

・最後に 紛争問題解決中のモチベーション

 

未収の残業代を請求する方法

 

ブラック企業の特徴は、なんといっても ” サービス残業 ” です。

 

「それくらいは社会人として奉仕しろ。」とか、「おまえが要領が悪いから残業しているんだ、この給与泥棒!」なんて何と理由をつけて払わないようにしているかと思います。

 

「泥棒」はブラック企業のほうであり、賃金を払わずに働かせるのは違法です。

 

「みんながしているから…」なんていうことは全く関係ありません。

 

退職してからでも、請求できます。

 

ただし、過去にさかのぼって請求できる期間は2年分です。

  

「ブラック企業 退職」とネットで調べると、実にたくさんの弁護士事務所のブログに誘導されます。ですから、弁護士に代行してもらわないと受け取れないように思っていらっしゃる方もおられるかもしれませんが、そんなことは全くありません。

 

退職してからご自分で労働基準監督署に行って、請求できなかった残業代のことを相談しましょう。

 

退職した会社とやり取りするのは、労働基準監督官なので個人的にかかわることは一切ありません。

 

すべて無料で代行してくれます

 

証拠があるにもかかわらず会社が拒んだりした場合は、内部に立ち入り検査してくれます。逮捕する権限もあるのが労働基準監督官です。

 

ブラック企業が恐れるものは ” 立ち入り検査 ” です。

 

ブラック企業の場合はきれいな仕事などしていないので、見せられるものに苦労するでしょう。そのため、大抵はもめずに意外とすんなり退職者が請求した支払いに応じてくれます。

 

私の場合は、請求した以上に会社から戻ってきました。

ブラック企業にとって労働基準監督署くらい怖いものはないようです。

 

ただし、労働基準監督署はかなり忙しく、たくさんの案件をかかえているため証拠がしっかりないものについては取り合ってくれない場合もあります。

 

そうなると弁護士に相談してみるもの手だと思いますが、まずは自分で簡単に出来ますし、向こうも簡単に支払う可能性が高いのでやってみる価値は十分にあるのではないでしょうか?

 

慰謝料請求を無料で代行してくれる国のサービス

「あっせん」とは

 

以外と知られていないのが、この慰謝料請求を無料で代行してくれる国のサービスです。

パワハラ裁判の平均支払い額は50~100万円。

残念ながら、弁護士に依頼するとほとんどが手元に残りません。

 

「自分が損してでもいいから、会社に仕返ししてやりたい」くらいの気持ちがなければ慰謝料を請求するのは難しく、裁判を起こすのは被害者にとっては苦渋の決断です。

 

そのため、泣き寝入りする人がほとんどで、自殺などに追い込まれて遺族が後から請求する以外は訴えることに消極的になりがちです。

 

パワハラされると、たいていの人が戦う気力すらなくします。

 

「もう関わりたくない。もう思い出したくもない。」そんな気持ちになることも多いものです。

 

弁護士に依頼して訴えるのは仕切りが高くても、国の制度をうまく活用して無料で慰謝料請求を代行してもらえることがわかれば「やってみるだけ、ダメ元でやってみるか」という気持ちにもなるのではないでしょうか?

 

その機関は、労働局の「あっせん」という個別労働関係紛争の解決を促進してくれるところです。

個別労働紛争解決制度(労働相談、助言・指導、あっせん)について

厚生労働省のホームページはこちら


「あっせん」の仲裁方法

 

「あっせん」は弁護士に依頼しなくても都道府県の労働局に申込をするだけで簡易的な ” 裁判のような話し合いの場 ” を無料でしてくれる制度です。

 

” 裁判のような話し合いの場 ” では会社側と申立て人は、直接会う必要は全くなく、控室も一切顔を合わせることがないように細心の注意をはらって進行してくれます。

 

裁判官のような、間に入って仲裁してくれるのは弁護士の方で、双方の言い分を聞きながら和解金の提案をしてくれます。

労働局の人も数名記録員として出席しています。

 

どちらが悪いか判断することはなく、言い分を伝える役目をするだけですが相手がどう思っているのか聞くことができるので裁判を考えている方も参考になるかと思います。

 

申請書などは労働局の人が詳しく聞き取りをして、どのように言い分を訴えたらいいのか相談することもできます。

 

「あっせん」の効力と注意点

 

残念ながら、あっせんには強制力がないので申立てをしても企業側は出席する義務はありません。

 

ですから、労働局から申立書と一緒に、証拠などを準備して自分で経緯を詳しくまとめた文章を企業側に送付してもらった方がいいと思います。

 

いつから、どのように人権が侵害されていたのか、どうして退職にいたったのか、これに応じない場合はどうするのか、等を明確にした文章を作成しましょう。

 

強制力がないので、企業側は ” 本気度合い ” が見えないと出席すらしてくれません。

 

実際、申立書を送付して出席に応じるのは半分の企業だけです。

「これをほおっておいたら大変なことになる。」と思ってもらえるような文章が必要です。

 

請求金額も自分で決めなくてはいけません。

法テラス制度などを利用すると、弁護士に無料で相談することもできますのでそういったものをうまく活用しながら準備してください。

 

また、注意点として高額請求だと労働局の人が申立書を受け付けてくれない場合があります。「やるだけ無駄で、こんな高額請求しても企業側は間違いなく来ませんから、時間の無駄です。」と煙たがられる傾向があるようです。

 

「無駄でもいいので、お願いします。」といって私の場合は受け付けてもらいました。

 

金額については注意事項に記載されていないので、自分が訴えたい額を提案したほうがいいと思います。私の場合は、労働局の人が「このくらいの金額だと来てもくれませんよ。暴力を受けて骨折した証拠があってもそんな金額は支払われない。」と忠告されました。しかし、私の場合は労働局の方が提案してくれた金額の5倍を「あっせん」で受け取ることができました。

 

請求した額よりも話し合いでは必ず減額されてしまいますから、最初からもらってももらわなくてもいいような金額なら労力がもったないのではないかと、個人的には思うからです。

 

ですから、それくらい価値のある文章、口外されては困る文書を作ることをおすすめいたします。

 

「あっせん」で和解金がもらえなかったら

「労働審判」がおすすめ

 

前述した通り、残念ながら「あっせん」には強制力がありませんから、企業が来てくれない場合はそれで終了になってしまいます。

 

その場合は、次の一手を投じましょう。

 

裁判を起こすことで企業は強制的に参加させられます。

裁判にもたくさん種類がありますが、おすすめは「労働審判」です。

労働審判は、申立てをするには収入印紙や郵便料が必要になりますが、労働者のみでも企業側と交渉ができる制度です。

 

おすすめの理由は、労働審判は3回の審判(1か月半)で約80%が決着するからです。労働問題専門の裁判官ですし、会社による違法性が明確な場合には、早期解決が見込めます。「あっせん」がダメなら他の方法もたくさんあるのであきらめなくても大丈夫です。

 

労働審判の注意点としては、公務員の方は国・地方自治体との紛争になるため、利用できないようです。また、個人への訴訟はできません。あくまでも会社への訴えになります。

 

最後に

紛争問題解決中のモチベーション

自分で経緯を詳しくまとめた文章を作成していると、思い出して辛くなることがあるかもしれません。

 

この努力が報われるのかと思うと、モチベーションを保つのが難しくなることもあるかと思います。

 

あなたが勤めていた会社の被害者は、あなたが初めてではないはずです。

ブラック企業であるならば、今までもたくさんの人が泣き寝入りして、これからもたくさんの人が被害に合い続けるでしょう。誰かが「もうこんなことたくさんだ。」と声を上げない限り、なくなることはないと思います。

 

その会社と縁があったということ、自分が社員であったことの最後の勤め、それは「訴えることだ」と思って、私はモチベーションを保ちました。

 

うまくいくのか、いかないのか、そんなことよりも「自分のしていることは誰にもできなかったこと」、「今まで無念な思いをしてきた人たちの思いを晴らすこと」、「今勤めている同じような地獄の環境にいる人たちが少しでも配慮してもらえるようにできる社会貢献」として位置付けると、もし負けても努力は決して無駄にはならないと思います。

 

あなたの勇気が誰かの命を救っているかもしれないからです。

もっと訴える人が出てくれたら、ブラック企業は生き残れなくなると思います。

 

未来の子供たちが「昔は過労死なんてあったんだ。」「ブラック企業なんてほんとにあったの?」と思える未来を、私たち大人が作ってあげられたらいいなと思います。

 

3回にわけて、記事をかいて参りましたがご参考になれば幸いです。

皆様の勇敢な努力が報われること、ご健闘を心よりお祈りいたします。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

関連ブログ:

うつ病とブラック企業(1/3)

ブラック企業をやめる前にしておくべきこと(2/3)


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