
ヒアリングサービスオハナの心理カウンセラーの山本です。
うつ病の原因と、切っても切れない関係にあるのが
” ブラック企業 ” です。
ブラック企業は「被害者が訴えられない」、「訴える気力すらなくなるまで追い詰める」ので従業員の心は疲弊していきます。
どんな会社でも多少のストレスは避けられませんが、過剰なストレスは私たちの体を蝕み、寿命を縮め、幸福感を奪います。
ブラック企業に勤め、職場のストレスに苦しんでいる多くの方が「自分が悪いのではないか?」と思っています。
そう思うようにしているのが、ブラック企業の恐ろしい所です。
「おまえが悪い」と刷り込みをしているからです。
そんなブラック企業の暗示を解くために「あなたが悪いから苦しんでいるわけではない」ということを証明したくてこの記事を書いています。
少しでも職場環境に苦しんでいる方の参考になれれば幸いです。
目 次 |
・うつ病になるのは人間だけではない
・動物や魚がうつ状態になる環境
・職場環境配慮義務
・「退職」よりも「自殺」を選ぶ理由
・ブラック企業から逃げることも必要
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うつ状態になるのは人間だけではない

うつ病は人間特有の病気だと思ってしまいますが、実は動物でも極度の緊張状態に長時間おいておくとうつ状態になることがわかっています。
動物や魚が極度の緊張状態に長時間おかれると ” 外部との関りを避けるようになる ” 、 ” 無気力になってほとんど動かなくなる ” などの症状がでます。
チンパンジーはうずくまったまま動かなくなり、魚は水槽の底にとどまりほとんど動かなくなります。
これがうつ状態の症状です。
動物や魚がうつ状態になる環境

まず、どのような環境で動物や魚はうつ状態になるのでしょうか?
- 檻や水槽で天敵と一緒に飼育する
- 定期的に電気ショックを与える
- 眠らせない
などです。
例えば、犬に電気ショックを与え続けると、檻が開いていてもじっとうずくまったまま動こうとしなくなります。逃げることができる状況が来ても動けなくなってしまうのです。
本来のストレス反応が備わった理由には、敵から逃げたり攻撃したりするために進化した防御システムでした。
しかし、逃げることも攻撃することもできないまま不安や恐怖を感じ続けると深い無力感を感じて行動することができなくなってしまう状態。
これが「うつ病」の原因です。
ブラック企業に当てはめて考えてみると、
「檻や水槽で天敵と一緒に飼育されている」ような環境の職場。
また、「定期的に電気ショックを与えられている」ような環境。
終わらない量の仕事なら「眠らせない」が該当します。
このような環境が続けば耐えられる動物はいないということです。
職場環境配慮義務を守らない企業

民法第715条には “ 職場環境配慮義務 ” があります。
これは、雇用されている人が心身ともに安全な環境で働けるように会社が環境をきちんと整えておかなければいけないという義務です。
ですから過剰にストレスを感じながら仕事をしなければいけない理由は雇用されている側には、実はないのです。
しかし、1986年頃のバブル経済で日本は多額の資金を得、国際社会に高く評価されました。その結果、今までにないほど豊かな生活を送れるようになり、お金の味をしめたことがきっかけで「儲かれば何をしてもいい。」という傾向が強くなり、そのため人権が損なわれる傾向が強くなったのではないかという専門家の意見もあります。(「部下を壊す上司たち-職場のモラルハラスメント」金子雅臣氏出版参照)
心をないがしろにしたその結果、自殺率は年々増加。
2000年頃には自殺者数は毎年3万人を超えています。
「退職」よりも「自殺」を選ぶ理由

記憶されている方もいらっしゃるかもしれませんが、過労死で2015年に亡くなった、髙橋まつりさん。
彼女は、東京大学を卒業後に電通に入社しました。
しかし、1か月に105時間もの残業を余儀なくされ、その結果うつ病を発症。
まつりさんは24歳という若さで、クリスマスの12月25日に都内の社員寮から飛び降りて亡くなりました。
この事件がきっかけになり厚生労働省は過労死防止のための長時間労働対策を発表。
その後2018年には働き方改革関連法が成立。
彼女の過労死は働き方改革の意識を高めるよう社会に働きかけることとなりました。
2017年に小説から映画化された『ちょっと今から仕事やめてくる』ではブラック企業の現状がクローズアップされ多くの人の共感を生みました。
この映画の中で主人公の工藤阿須加が演じる青山隆はあまりの職場のストレスに「人は生きるために働くとしたら、俺は生きているといえるのか?」とつぶやいたセリフが私は印象的でした。
「生きていくために仕事をする。そうだとしたら、今の自分が生きている意味ってなんだろう。毎日こんな思いをするために生きているとしたら、生きる意味なんてあるのだろうか?」そんなふうに希望を持つことすら難しくなるまで、追い詰められた状態をうまく表現している言葉だと思いました。
『犬に電気ショックを与え続けると、檻が開いていてもじっとうずくまったまま動こうとしなくなり、逃げることができる状況が来ても動けなくなってしまう』と上記で取り上げましたが、うつ病になると「逃げる」ことがとても難しくなってしまうのはこのためです。
うつ病の原因が会社にある場合、「退職」よりも「自殺」を選ぶ方が後を絶たちません。
なぜなら、ブラック企業はあなたの人格を否定しているからです。
会社の奴隷になれないなら、生きている意味はないと洗脳している姿はカルト宗教さながらです。恐怖で判断力を鈍らせてコントロールしようとしているのでしょう。
日本で飢え死にしてしまう人は、ほとんどいません。それは、日本国民は最低限の生活が保障されているからです。しかし、職場のストレスから逃げられずに亡くなっていく人は毎年、何万人もいるのです。
ブラック企業から逃げることも必要

私もパワハラ被害で退職したことがあります。
勤めていたのが大手だったので、辞める決心をするのは大変でした。
辞めたいと思ったときは、「もう二度とこんな給料はもらえないだろう。」と思いましたし、シングルマザーで私の収入がすべてだったので、精神的にとても追い詰められていきました。
辞めるのはすごく怖かったのですが、自分の良心が痛むようなこともするように強要されたり、法に触れるようなことも目にするうちに、「こんなことしてまで生きていて楽しいのか?」「私のしていることは本当に誰かの役に立つことなのだろうか?」と悩みました。
今は、独立してカウンセラーとして活動しているので、社員でいたころの収入の足元にも及びません。(苦笑)でも、辞めたことを後悔はしていません。
悩みのない人生はないと思います。どの道、大変なことや辛いことは必ずあると思います。
例え、転職したとしてもです。
でも、はっきり言えるのは “ 苦労し甲斐 ” がある人生に悔いはないのではないかということです。
自分の心の声に従って、あなたが心地いいと思える場所で苦労した方がいいと私は思います。
その苦労は “ あなたらしさ ” を壊さないからです。
そして、良い苦労はあなたをもっと人間として成長させてくれるからです。
どうせするなら、いい苦労を選んでほしいと思います。
人間は人間として生まれてきますが、死ぬときも人間でありたいものです。
“ 人でなし ” に人格を染められたら、自分も “ 人でなし ” になってしまいます。
そんな人生、悲しすぎます。
会社を辞めるか迷っていた時に、私にパワハラしていた上司が部下にこんなことを言っていました。
「この会社に入ったことはもうどうしようもない。俺が人生で一番後悔していることは、この会社に入ったことだ。」と。
それを聞いて、私は辞める決心がつきました。
その上司は年収は1000万以上もらっていました。でも、その言葉を聞いたときに「この人はお金と引き換えに何を売ったのだろう?」と思ったからです。
いい待遇に置かれている人こそ、逃げるのは怖いと思います。
最初にご紹介した東京大学を卒業して電通に入社した髙橋まつりさんも会社を辞めるのは怖かったのではないかと思います。
辞める時は計画的に、後悔しないように退職したいものです。
私は辞める時に会社を訴えようと思いました。(法に触れるようなことをしていた会社なのですが、殿様営業だったので取り締まられることがなかったのです。)
弁護士に何人も相談しましたが、会社名をいうと断られました。
ですから一人で訴えるしかなかったのですが、一人でも出来ることがあります。
次の記事では、ブラック企業を退職するにあたって計画しておくこと(弁護士に頼らずに自分で出来る方法)を書きたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この続きはこちらをご覧ください。👇👇👇
ブラック企業をやめる前に出来ること(2/3)
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